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「お寺は使ってもらってなんぼ」と言う30代のご住職が町に来た

こんにちは。
地域おこし協力隊のヤマグチです。

今回は田上町にあるお寺のお話。

ヤマグチは平均的な日本人らしく、神も仏も信仰するタイプです。
新年は神社へお参りに行きますし、クリスマスはちょっとしたご馳走を食べますし、親族のお葬式はお寺です。

なので、特別お寺が身近な存在の生活というわけではありませんでした。正直なところは少し近寄りがたいイメージすら持っています。やっていいこと悪いことなど、マナー的なものを気にしてしまうというのも、少し遠ざけてしまう一つの理由かもしれません。

先日、どうやら最近若いご住職がここ田上に移住してきた、との話が耳に入りました。

「いやいや若いって言っても住職業界でいう若いですよね?」
「たぶんヤマグチさんと同い年ぐらいじゃないっすか」
「それは若いですね!」

ヤマグチは2021年12月に協力隊として田上町にやってきましたが、そのご住職は11月頃に移住してきたとのこと。田上町に来たタイミングもほとんど同じ……

これはお話を聞きにいくしかないと、アポを取りました。

ここで「お寺には興味ないから」という方たちへお願いです。
「お坊さんが主役の盆踊りフェス」の動画だけはぜひご覧頂きたいです!
お寺に対する敷居が、いい意味で下がること請け合いです。(目次からどうぞ)

そして何を隠そうそのイベントを開催しているお寺ご出身なのが、今回お話を伺ったご住職です。

いつか田上町でもあんな楽しそうなイベントが出来たら最高だなと思います。

町内外から愛される「子育て地蔵」

田上町にもいくつかお寺がありますが、今回伺ったのは羽生田はにゅうだ地区にある「定福寺じょうふくじ」というお寺です。初めに定福寺について少しご紹介します。

こちら定福寺には「羽生田の地蔵さま」と昔から親しまれている子育て(延命)地蔵が祭られています。

入口
正面に定福寺
そして右手にも大きな建物
子育て地蔵が祭られているのはこちら

子供が元気で丈夫に育つようにと、今でもお参りする方が多くいらっしゃる子育て地蔵ですが、かつては最寄りの羽生田駅から行列ができるほどの参拝客で賑わっていたそうです。

かつては出店なども多く並んだ定福寺前の旧道

執子とりこ」という信仰をご存じでしょうか?
自身の子供をお地蔵さまに弟子入りさせることで、健康を祈願する考え方です。現在でも続く信仰で、倉庫には名前と生年月日などが書かれた大量の帳簿が保管されているそうです。

お堂の中には、無事健康に育った感謝として贈られた提灯や折り鶴などがたくさん飾られていました。

県外から届くことも珍しくないそう
鈴も贈り物ですごいことに


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盆踊りフェス?の経験から

お話を伺いに向かった当日。お昼過ぎに到着してインターホンを押すと、お若いご住職が「どうぞー」と出迎えてくださいました。本堂に通して頂きご挨拶のお参りをしたあと、お部屋でしばらくお話を聞きました。

ご実家は新潟県津南町にあるお寺。田上町のおとなり加茂市にある定光寺とは元々ご縁があり、今回定福寺のご住職としてお声がかかったという経緯でした。

田上町へは奥さんとお子さんの家族3人での移住。定福寺のインスタではお子さんも活躍していて、日常の風景から真面目なお寺のお話まで知ることができ、非常に魅力的な発信になっています。

定福寺に来る前は、横浜の総持寺そうじじというお寺で修行されていたそうです。総持寺は曹洞宗の中でも大本山となるお寺の一つ。

「総持寺の盆踊りがすごいんですよー。あれはもうフェスですね

「え、フェスってあのフェスですか?汗」

「あの時だけはお坊さんがアイドルになりますからねー。今度動画探して見てみてください」

探してみるとすぐにヒット。
これは確かに……フェスですね。お坊さんのこなれたマイクパフォーマンス姿は初見だとなかなかの衝撃映像です。

「そこでの経験もあったからかもしれませんがお寺は使ってもらってなんぼだと思ってるんで。定福寺も檀家だんかさんや地域の方にどんどん使っていって欲しいんです」

ずっと感じていたお話のしやすさは、こういった経験、考え方から来ているのだと納得しました。


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これからの定福寺

まだまだ絶賛お片付け中だという定福寺は、確かにお部屋によっては荷物でいっぱいのところもチラホラ。「ここが受付だったんでしょうね」「この部屋に寝泊まりする方もいたそうです」など、案内されたお堂の中にはたくさんの参拝客で賑わっていた名残も多く見られました。

「夏になったら子供たちを集めて寺子屋なんかも出来たらと思ってるんです」

お寺で夏休みの宿題をしたり、お話を聞いたり、外で遊んだり。子供たちはもちろん、きっと親御さんも喜びそうな取り組みです。こんなご住職が近所にいたら、お寺へのイメージも変わっていたんだろうなと自分の幼少期を思い返してしまいます。

「ほんと自由に使ってもらっていいんで。勝手にあがってお茶飲んでても構いませんから」という冗談も冗談に聞こえないぐらいの雰囲気で話すご住職。定福寺を起点に、また田上町にも新しい風が吹きそうな予感をひしひしと感じる1日でした。

お寺の敷地内には「なにか」が出来そうな広場も



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最後に

「ありがとうございました!」とお礼を言って車を出すと、ご住職がしっかりと手を合わせ、一礼して見送ってくださいました。
気さくな話しぶりから勝手に距離を縮めていたヤマグチですが、締めるところはしっかり締める姿勢を見て、なんだか身が引き締まる思いでした。

今回は、田上町のお寺「定福寺」にお邪魔して、素敵なお話をたくさん聞くことができました。引き続き、ヤマグチが得たモノ・コト・ヒトを少しづつ発信、共有していこうと思います。

何かひっかかった部分が少しでもあれば、他の記事や町のHP・SNSなども覗いて頂けたら幸いです。

田上町について、お時間を割いて下さりありがとうございました。
地域おこし協力隊のヤマグチがお届けしました。

今回お世話になった方
【定福寺】Instagram

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