「除夜の花火」~大晦日の小さな花火大会~
こんにちは。
田上町 地域おこし協力隊のヤマグチです。
「大晦日に打ち上げ花火があるのでぜひ見てください」
初めてまちの「除夜の花火」を見たのは、地域おこし協力隊として着任してちょうど1ヶ月目の12月31日でした。
前回(2021年)は雪が降るかな家の近所で見ていた一観客でしたが、今回(2022年)は運営スタッフの皆さんともつながり、当日の警備兼撮影をすることに。
わずか数十分で終わってしまう、全国的にも一二を争う小さな規模の花火大会を、今回はご紹介しようと思います。
小さなまちの小さな花火大会
毎年大晦日の12月31日に開催されるこのイベントは、町内外の有志7名から組織される「除夜の花火を打ち上げる会」が運営しています。
元は地元商店の開店・改装記念として打ち上げたのがきっかけで、今年2022年でなんと36年目。1987年から毎年開催されてる歴史ある花火大会です。
そして打ち上げをするのは隣町にある花火屋の「阿部煙火工業」さん。
おはなしを聞くと国内はもちろん、世界でも活躍されている花火屋さんということで驚き……花火の質はきっとピカイチですね。
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"花火新聞"で伝えるメッセージ
除夜の花火で打ち上げされる花火は、事前に1発一口で申し込みをする「メッセージ花火」がメイン。つまり基本的にはすべての花火に”打ち上げ者”の方がいます。
そしてこのメッセージ花火に添えるメッセージは「花火新聞」として大晦日の朝刊と共に折り込みされます。これが除夜の花火のユニークなところ。
小規模な花火大会だからこそできる、地元密着のあたたかな仕組みです。
ちなみに今年は最後に上がるスターマインにヤマグチも協賛させていただきました。名前だけですが意外と大きく載せていただき大満足です。
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あっという間の30分間
小雨が降ったり止んだりの大晦日19時。
打ち上げ場所近くの道の駅で花火師さんと合流し、打ち上げ場所と準備の様子を撮影させていただくことに。
打ち上げ開始の20時まで残り1時間。
「昨年と違って雪がなくて楽だねぇー」と花火師さんは言っていましたが、この日の最低気温は0度近く。カメラを持つヤマグチの手はみるみる感覚がなくなり、ホッカイロを持ってこなかったことを激しく後悔していました。
撮影をしているとものの数十分で設置完了。
もちろん打ち上げ時はここにいることはできないので、ここからは警備兼撮影のために離れた場所でヤマグチは見守ります。
「お、3分前だね。そろそろ上がるかな」
寒さに耐えかね運営スタッフの方と一緒に車で待機すること数分。
いよいよ打ち上げ開始です。
周辺には民家はもちろん、人影すら一切ないため、静寂のなか花火の音だけが「ドン、ドン」と響きます。
一発一発、淡々と上がる打ち上げ花火。
震える指でシャッターを切りながら、不思議な静けさのなか時間がゆっくりと過ぎていきます。
「そろそろかな」と運営スタッフの方がつぶやき、もうそんな時間かと時計を見ると終了時間が近くなっていました。
除夜の花火のフィナーレ、大晦日のラスト数時間を彩るスターマインがスタートです。
(提供:山川仙六農園)
あっという間の30分。
除夜の花火、今年も無事に終了です。
「ありがとうございました。じゃあ、よいお年を!」
解散、帰宅して冷えた体を温めながら写真を確認して一息……
心地よい疲労感のなかで、今年はおでんとビールで静かに新年を迎えました。
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最後に
実はヤマグチも除夜の花火と同じ1987年生まれ。
生まれた時から毎年こうして花火が上がっていると思うと、なんだか勝手に運命を感じてしまいます。
除夜の鐘は年の変わり目に邪気を払うために始まったそうですが、鐘をついて払えるなら花火でも十分(むしろ多めに)払えそうな気もします。
このまちにいる限り、年の初めは心機一転気持ちよくスタートできそうです。
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今回は、まちの大晦日の恒例行事となっている花火大会「除夜の花火」についてご紹介しました。引き続き、ヤマグチが得た田上町のモノ・コト・ヒトを少しづつ発信、共有していこうと思います。
もしお時間ありましたら他の記事や町のHP・SNSなども覗いて頂けたら幸いです。
田上町について、お時間を割いて下さりありがとうございました。
地域おこし協力隊のヤマグチがお届けしました。