【あのコーヒーショップやあのお酒も】 ○○は全てうちの町で作られていました。
こんにちは。田上町 地域おこし協力隊のヤマグチです。
突然ですが「県内シェア」や「全国シェア」って言葉を耳にしたことはありますか?
一般的にこの「シェア」とは「マーケットシェア」のことを指します。
「県内トップシェア」や「全国シェアナンバーワン!」など、テレビや雑誌の広告などで企業や店舗をアピールする謳い文句として使われることが多い言葉かと思います。
「26.1%」
いろいろと細かい定義や理論の説明は割愛しますが、少し調べたところでは最低限この数字を取るといわゆる「業界トップ」を名乗る権利が出てくるそうです。
「全国に出回ってるなかで、だいたい東日本のモノはうちで作ってるかな」
今回訪れた会社で耳にしたこの発言。
これは業界トップクラスってことで合ってますよね?
そんな会社がヤマグチの住むまちにもありました。
まちで有名な3兄弟が経営する会社
今回お話を伺いにお邪魔したのは、ガラス加工を得意とする会社「サンフロスト」さん。
実はこのサンフロストさん、まちでもかなり有名な会社です。
ある人に聞けば「若い時にバイトでお世話になったよ」と。
そしてまたある人に聞けば「まちのイベントでよくいらっしゃるよね」とも。
会社自体はもちろん、“中の人”もかなり顔が知れているこの会社は、お父様の意思を継いだ「3兄弟」が現在経営していらっしゃいます。
「3兄弟だから“サン”。それにフロスト加工の“フロスト”でサンフロストね」
公募で決まったという社名にも、3兄弟のエッセンスがしっかり入っています。
ところで「フロスト加工」というもの、みなさんご存知でしょうか?
フロスト加工とは、微細な凹凸をガラス表面に作ることでくもりガラスを形成すること。
細かな粒子をガラスに吹き付けたり(サンドブラスト)、化学薬品を使うことで、まるで曇っているように見える細かな凹凸が作られるそうです。
元々はとなり町の“照明ガラス”を扱う会社に勤めていたという会長。
ある時「酒瓶に加工をしてほしい」という注文を受けたことをキッカケに、徐々に問い合わせも増え、サンフロスト立ち上げに至ったそうです。
そして現在は、酒瓶のフロスト加工においては全国でも屈指のシェアを持っており、県内はもちろん、東日本においてはほとんどの製品がここで作られているというから驚きです……
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会社が有名な理由は理解いただけたかと思いますが、“中の人”もまちでは有名人なんです。
まずは次の写真をご覧ください。
まちのイベントが催されると、長男の会長は人形を操り腹話術を、そして三男の専務はギターを操りステキな演奏を披露しまくります。
ヤマグチもお二人の素性を知る前は、完全に地域密着系のイベント屋さんだとばかり思っていました……
またサンフロストとしてもワークショップを開催したりと、地域の盛り上げ役としてまちでは誰もが知る会社&兄弟となっています。
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あのコーヒーショップや化粧品ブランドとも
「そもそもフロスト加工の技術を持っていて、かつ機械化して大量生産できるところが少ないからね。今はうちとあと大阪に2社あるぐらいかな」とサラッと話す会長。
この規模のラインを持っている会社は国内に3社ほどしかないということで、サンフロストで東日本をカバーしているという現状にも納得です。
「なるほどー、基本的には酒瓶が中心なんですね。しかしここまでシェアを持っているとは知りませんでした…」
「酒瓶の他にもいろいろ作っているよ。例えば〇〇〇(某有名コーヒーショップ)のグラスとか」
「〇〇〇ってあの〇〇〇ですか!?」
想像以上の名前が出てきてアホみたいな質問をしてしまうヤマグチ。
「あと✕✕-✕(某有名化粧ブランド)の瓶とか、ほらこれ、知ってる?」
「もちろん知ってます知ってます!!」
「△△△△(某有名車メーカー)の記念品なんかもいつだったか作ったな。いつだったかなー」
次々と出る世界的な企業やブランド名。
「国内でのシェアが」なんてことを言ったそばからの発表で、まるで「いやいや国内だけじゃないから」とツッコミを入れられた気分でした。大変失礼いたしました。
ここまで来ると東日本で人生の大半を過ごしてきたヤマグチなんかは、手に取るフロストガラスというフロストガラス全てが、ここで作られていたんじゃないかとさえ思えてきます……スゴイを通り越してちょっと感動すら覚えます。
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工場内は“企業ヒミツ”でいっぱい
正直、事務所でいろいろなお話を聞きながらも「工場の中はどんなんだろう…面白い写真いろいろ撮れたらいいなー」と内心ワクワクしていました。
が、ここは世界も認めるフロスト加工技術を持つ「サンフロスト」——
工場内は企業ヒミツで溢れていて、ほとんどの場所が撮影NGでした!
冷静に考えれば当然ですよね。やたらめったらお披露目は出来るはずがありません。
そんななかでも「この辺りだけなら大丈夫だよ」と特別に許可を頂いて、工場内の様子を何枚か撮らせて頂きました。会長、ありがとうございます!
ほんの一区間の見学・撮影でしたが、大量に流れる瓶たちの横でたくさんのスタッフさんたちが黙々と作業されていました。
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最後に
パートの方含め約40名の皆さんで日々作業されているというサンフロストさん。
コロナ禍で一時は1年の半分が休みだった時期もあったとのことですが、現在は工場も通常通りに稼働しているとのこと。
まだまだ暗い気持ちになるニュースも多いご時世ではありますが、お話を聞いているうちに、そんな影をも吹き飛ばせそうなパワーをヒシヒシと感じた1時間でした。
サンフロストの“サン”には3兄弟の意味の他にも「太陽のように輝く」という想いも込められているそうです。
今までも、またこれからもまちを楽しく、明るく照らしていくサンフロストさんの今後のご活躍が楽しみでなりません。
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今回は、ガラスのフロスト加工において国内でも有数の技術をもつ「株式会社サンフロスト」さんについてご紹介しました。引き続き、ヤマグチが得た田上町のモノ・コト・ヒトを少しづつ発信、共有していこうと思います。
もしお時間ありましたら他の記事や町のHP・SNSなども覗いて頂けたら幸いです。
田上町について、お時間を割いて下さりありがとうございました。地域おこし協力隊のヤマグチがお届けしました。